新しい政府の経済的な役割(備忘録)

人々の労働(資本家は投資によって労働している、投機によっては労働しない。)を促進し、持続可能なイノベーションを繰り返し起こすことを目的として存在している。

つまり

●持続可能な生産性の向上を促進するために存在している。

この目的のために、投機から資金を回収し、投資に回させるバイアスを経済にかける必要性に行きつく。→コンピュータアルゴリズムに投機システムを任せるだけの仕事はイノベーションに何ら貢献しないため、このような行動は労働とは言わない。

●政府の役割は富の再分配ではない(少なくともそれを目的としたものではない)。
従って富の集積はシステム上許さなければならない。

しかし、

●富の格差が固定することは人々の労働意欲を下げ、却ってイノベーションを遠ざける。

従って、富の再分配とは別の観点で格差が固定しないように人々の労働を促進する仕掛けが必要である。

従って投機(短期間で売り抜ける、または、経営資源を奪うことを目的とした売り買い)と投資(従業員、会社自体と長期的に利害を一として会社を育成することを目的とした資金注入)を分けて、投機の利益率を下げ、かつ政府がその資金を回収し、会社、人材、資源について長期的に投資することを促進する税制が必要である。

★新しい株式市場を提案する。

株式を取得してから売却するまでの時間をΔtと置いた時、株式の取引に以下の税率を課すシステムを考える。

Tr(off,a,Δt)=(off/(1+Δt/a))
off:オフセット税率(Δt->0の時の税率)、1/a:傾斜率(長期保有した際に税率をどの程度緩和するか)

●新しい株式市場は投機目的の株主の利益に相反する
従って、投機目的の資金はこちらにあまり流入しない。

●しかし、投機目的の株主の介入を恐れて今まで上場してこなかった多くの企業が上場する可能性がある。→投資目的の株主には選択肢が広がる。

●長期保有が促進されるため、雇用、イノベーションが持続的に促進される。

★個人情報の無償による大量取得に課税する。
巨大企業が、保有する大量の個人情報でイノベーションの努力を怠っても生き残る状況をなくす。

★金融政策と財政の関係
金利の高い社会は、銀行にただ資金を預けることが経済合理性を持ち、銀行もまた、中央銀行に資金を預けることに経済合理性を見出す社会のため、明らかに生産性が失われる。

●生産性の向上を指向するなら低金利が望ましい。

但し、貸し出しには審査が伴い、現有資産に比例した資金供給しかできない。また、市場に供給した資金が時間とともに返済により失われる。単独では効果がない。

→従って、政府が直接支出で民間需要を喚起することと併用することが望ましい。

●生産性の向上分に対応した量の紙幣を創幣しないと経済はデフレ気味になり、生産能力を解体する方向に振れる。(この場合、昨日と同一の労働の対価が下がることによって労働市場の生産性が自動調整されてしまう。経済は自動的に縮小する。)

→従って、生産性の向上分に対応して適切に創幣し、支出繰り入れによって、民間を直接支援することが望ましい。

★固定資産に対する課税にも政府の役割の考え方を適用する。

稼働設備、もしくはこれから稼働するための設備に対する固定資産税を大幅に下げる。

投機目的の固定資産の保有(使っていないもの)については、税率を上げる。

一貫して目指すのは投機による利益率を低く抑え、投資による利益率を向上させ、社会の持続的な労働、イノベーションを促進することにある。

代表 菊地英宏